サブプライム後の新資産運用
サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践
- 作者: 中原圭介
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2008/07/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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[内容]
サブプライム後の新しい投資の基本。
[感想]
内容は、簡単に言えば、時代の流れを読みつつ慎重に投資することにより、これまでの常識だった国際分散の長期投資を超えるパフォーマンスを上げるというもの。アマゾンの特級の高評価もあって、『こりゃタフですげぇ投資だぜ!』と思いながら読んでいたのだが、『円安は今後も続く』の辺りで違和感を感じたのでちょっとネットで調べてみると、http://noload.558110.info/Subprimego.html
のようなページに当たる。このページを読んでからいきなりこの本が胡散臭く思えてきた。何が怖いって、この本がでたらめなのも怖いんだけど、上のページを読む前と後では自分のこの本に対する印象があまりにも違うこと。自分の意見がこうも周りの意見に影響されるのかと思うと怖い・・・以下この本のおかしい点。
アクティブ投信がダメなことは前から言われているのに、何が今さら『新』なのか・・・
円安は今後も続く?この本が出た直後から全世界的な超円高だ!
この本のいい点:日本が本当に危ないことが分かった。この本の運用で得するかどうかはともかく、この本の運用法は『日本は衰退し、円の価値は下がっていく』ことが前提となっている。日本が衰退するのは確かにそうかもしれない・・・あと、日本経済、アメリカ経済の動向を知るためのポイントが具体的なのも好い点だと思う。
[概要]
金融工学は役に立たないことは歴史が証明している。
破滅寸前の日本の現状
日本は人口減少により、縮小傾向に入る可能性が高い。
⇒デフレはこの先もずっと続く。
⇒低成長・低金利時代が続く。
⇒資産運用が必要。
国際分散投資の欠点
・世界のマネーの連動性が高くなっている。
・個人投資家には複雑。(?)
・実は外国の金融商品が底上げしている。(円安により30%以上かさ上げ)
・世界経済の拡大を前提にしている。
複利効果の心理的な罠にはまり、景気の大きな流れを見失ってないか?
投資信託は運用コストが高く、税金もかかる。(インデックスのノーロードならいいのでは?)
正しい投資のタイミングをつかむ方がはるかに重要(これができないからインデックスにするんじゃないか!?)
世界経済と相場のトレンドの掴み方を身に付ける
商品の先行指標として、アメリカの原油先物相場(WTI原油先物相場)を把握する。原油が他の商品よりも早く動く習性がある。
先物市場(1000兆円)は金融市場(デリバティブ:6.2京円)に比べ1桁以上小さい。
アメリカ経済予測(アメリカ経済=世界経済)
雇用統計(10-15万増加が雇用回復の目安)+ISM製造業景況指数(50が景気動向の良し悪しを判断する分岐点)
他の指標にはGDP(ただし速報性低し)
日本経済予測
日銀短観、特に大企業製造業の「業況判断指数(DI)」
ポートフォリオ
景気拡大時:株(40-60%)+外貨預金(30%)+現預金(30-10%)
景気後退期:外貨預金(50%)+現預金(50%)
戦略のヒント:円高か円安か、インフレ前半かインフレ後半か、投資資金がどこへ流れていくのか
方向性予測が難しいときは、現金化してリスクを抑える(さっきと言ってたこと違う!日本円のリスクは?)
捉利:トレンドを捕らえてそれに乗る。時には全て現金化することも良い。
円のリスク
日本マイナス成長のリスク、地震のリスク、国家破産のリスク
よって、外貨を持つと良い。
激動の金融市場を行きぬくには、歴史のほかに、哲学や心理学を学ぶことによって、物事を多面的に分析する能力、先のことを予測できる能力を身に付けることが必要不可欠。(ムズかしい!それができりゃ苦労しないよ)
外貨預金で資産を守る
日本はインフレが起こりにくい(企業の国際競争力確保のため、労働者の低賃金が根源)。
エネルギーの消費効率がとても優れていて、食料品価格の部下に与える影響は世界で最低水準。
経済理論は間違っている!実際には長期的な円安が進んでいる。(これはここ半年で完璧にひっくり返っている!現在はすごい円高が進んでいる。)
経済理論と実体経済がかけ離れているときは、実体を信用すべし。(実体が虚空だったとは!)
資本主義の究極体である、薄利多売の限界に日本はいち早く到達してしまったのか。
よって、外貨預金は円安+海外の高金利により資産を増やすことができる。
外貨預金にはネット銀行(特にソニーバンク)が有利!
大きなリスクは金融機関の破綻、格付けでチェックすべし(あれだけ格付けでみんな大損こいたのに!?)
S&PでBBB以上、ムーディーズでA以上なら破綻する可能性は無い。
外貨預金のポイント:金利差、物価上昇率、経済成長率
「金利高=通貨高」というのは、政治的・経済的な安定を前提として、資金をいつでも出し入れできるという流動性が確保されている先進国の通過において成立する。
物価上昇率:消費者物価指数伸び率、1.5-2.5%が適度、3%を超えないと中央銀行は動かない。
3つのポイントと関連ある経済事情:
・各国の中央銀行の定例会議(米FOMC、EUのECB理事会、日銀金融政策決定会合)
・中央銀行トップの発現
・各国の経済指標(消費者物価指数、GDP)
EUは財政赤字3%以内という規制があるため信頼性厚し。今後の基軸通貨の一つに。
ポートフォリオモデル:ユーロ50%、米ドル20%、ポンド10%、豪ドル10%、NJLドル10%。(全て下がっている!!)
外貨MMF(高格付けの国債や社債など、短期の外国債券で運用する投資信託)
外貨預金より悪い点:手数料が高い、金利が安い、選択の幅が狭い
外貨預金よりいい点:為替差益は非課税(利息は課税)、いつでも解約できる
ダウ理論に基づくトレンド
上昇トレンド:下値支持線を上回り、以前より高い天井と高い底が確認できる限り、上昇トレンドは継続
ボックストレンド:上値抵抗線と下値支持線の間で相場が推移していれば、ボックストレンドは継続
下降トレンド:上値抵抗線を下回り、以前より低い底と低い天井が確認できる限り、下降トレンドは継続する。
経済動向とトレンドどちらを優先する?⇒経済動向を優先視。
株式投資で資産を増やす
日本株式のポイント:日銀短観+外国人の売買動向
日本株の70%近くは外国人が所有している。
外国人の動向は「月刊の投資主大別売買動向」、「習慣の投資主大別売買動向」で分かる。
外国人の売買動向、アメリカの株価、日本の株価の3つは相関関係にある。
アメリカ株式のポイント:雇用統計+ISM製造業景況指数
政府の景況判断は遅いことが多いので、あまり当てにならない。
投資信託はETFで!
(ETFとインデックス・ファンドの違いが分からなかったので調べた。
ETFはインデックス・ファンドの一種で、上場しているのが特徴。株のように場中で売買でき、空売りもできる。インデックス・ファンドと違い、ファンドでないので、金額が大きすぎると買うことができないこともあるし、小額では投資できず、10万円以降から)
日本株の低迷は先進国の中で最高の法人税が原因!(他国では20%台が主流なのに日本は40%台)
株は余裕を持って。高値と安値のそれぞれ15%以内で売買できればいい、と大きく構えるべし。