ドラッカーが教える最も効果的な成長法 ー 『仕事の哲学』P.F.ドラッカー
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さて、今話題(ちょっと遅い?)の『もしドラ』、読みましたか?非常にキャッチーなタイトルで去年末から今でもベストセラーですね。と、持ち上げておいて私は読んでいません。
おそらく『もしドラ』は「ドラッカーは興味あるけどなんだか難しそう」という層にバカウケなんだと思いますが、ドラッカーの著作はどれも難しくありません。原本を読んだ方が間違いもありませんし効率的ですね。
本ブログでも紹介した『プロフェッショナルの条件』なども非常に読み易い本です。
それでもやっぱり、「ドラッカーをお手軽に読みたい!」かつ「原本で読みたい!」という二つの願いを叶えてくれるのがこの本です。
- 作者: P・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 単行本
- 購入: 15人 クリック: 67回
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本書はドラッカーの数々の名著の中から中核になる言葉を抜き出したもので、文字も大きく読みやすいし、おそらく2〜3時間あれば読めてしまうほどの、ドラッカー公式まとめ本です。
お手軽ですが、中に出てくる言葉は、ドラッカーの本に何回も出てくるようなドラッカーの思考の中核を成すものばかりで、学びも非常に多いです。
今回から数回に分けて本書の中身を紹介して行きたいと思います。
ドラッカーが教える最も効果的な成長法とは
ドラッカーが本書で最初にまとめているのは、「成長」についてです。その中で、最も効果的な成長法についてこう述べています。
自らの成長につながる最も効果的な方法は、自らの予期せぬ成功を見つけ、その予期せぬ成功を追求することである。
ドラッカーは様々な著作の中で「強みを活かす」ことの重要性を述べています。成果を残し、自らの人生を実りあるものにするには、自分の強み、上司の強み、部下の強み、身の回りの人々の強みを活かすことが欠かせない、ということです。
「弱み」を補うよりも、「強み」を活かすことの方が、何倍も大きな成果を残せるのです。
稼ぐためには"強みを活かす"べし
強みを生かす : ワイズギャラクシー航海日誌 GALAXY NOTE
ところが、多くの人は「自分の強みって何だろう?」と思うのではないでしょうか?人と比べてこれだけは自信がある、というものがある人の方が少ないと思います。かくいう私も自分の強みをはっきりと認識することはできませんでした。
そこで今回紹介したドラッカーの名言が活きてきます。思わぬ成功を見逃さないようにするのです。自分で思っていたより少しでも大きな成功を収めた仕事があれば、それはあなたの強みを暗示しています。
例えばこんなことはありませんか?
パッと作った分析資料があらゆる会議や営業プレゼンの資料として何回も引用された。
⇒あなたには優れた分析能力、文章能力があるかも知れません。
仕事を分担する際、同じ負担量にしているはずなのに、いつも同僚よりも早く仕事が終わる。
⇒あなたには思考の瞬発力があるかも知れません。
文章を作成した後に上司にチェックしてもらうが、同僚に比べ上司の手直しが入る回数が少なかった。
⇒あなたはとても注意深い人間で繊細な仕事ができるかも知れません。
大事なことは、思わぬ成功を例外と見なさないこと、その為に問題を多く抱えすぎないことです。
後半の問題を多く抱えすぎないこととは、身の回りに問題がありすぎると、問題ばかりに気を取られ小さな思わぬ成功に気づけなくなってしまうから、だそうです(ドラッカー談)。
精神的にゆとりを持って、思わぬ成功を見逃さないようにしましょう。
最後に
この成長法、ないし自分の(もしくは他人の)強みを見つける方法は、どの年代の人にとっても大事です。出世のため?社長なら自分の会社の成長のため?就職活動中の学生なら自己アピールのため?自らの強みは自らの経験によってのみ明らかになります。くれぐれも想像上の「こうありたい自分」からウソの強みを導き出さないようにしたいですね。