ビジネス脳はどうつくるか

ビジネス脳はどうつくるか

ビジネス脳はどうつくるか

[内容]

これからの時代に必要なビジネスのやり方。



[感想]

まず、何の本か分からない。まえがきもないし、裏表紙にも何も書いていない。目次を読んでもわからない。というのも当たり前で、この本は今北純一が出版社の人と話している内容をまとめただけらしい。内容も「オッ、これはすごい!」というような内容はなく、「どっかで聞いた・・・」というような内容ばかり。改めて文章として読むことができたという点だけはこの本の価値として評価していいと思う。



[概要]


固定観念や既成概念を取り払うことが、これからのビジネスに必要な知性。



自分の本当にやりたいことを、本気でやれるかどうか。



M:ミッション

    具体的かつ本当に自分が好きでやりたいこと

V:ビジョン

    夢を実現するための『この道筋で自分は行くんだ』というロードマップ

P:パッション

    ビジョンを、山頂へ向かって実行するプロセスで燃やす情熱、『夢をとことん追いかける』エネルギー



『何かやりたい』というパッションだけでもいい。ミッションとビジョンは後からついてくることもある。

大事なのは、なぜ自分はそう感じるかを考えること。



ヒューマンケミストリーにのっとったネットワーキングは、自分にとって最大の財産となる。





これからの時代は無形資産の国際化。

無形資産をテコに総合力を発揮して、初めてリーディング・ポジションを堅持できる時代になっている。



経営手法のピラミッド

Mission/Vision/Grand Design/部分設計/経営改革/オペレーション



グランド・デザイン=Strategy+Finance+Organization



日本にはグランドデザインを軽視し、オペレーション改革ばかりやる会社が多い。



重要なのは、「M&Aありき」という前提からのアプローチや、綿密な分析・評価なしに経営者のカンや営業的類推だけで押し切るというアプローチは失敗を招く確率が高いということ。



M&Aの3・3・3の原理

M&Aを発表したら、3日以内に統合を統括する代表者を指名し、次の3週間以内に統合委員会の構成メンバーを選択・任命し、そして3か月以内に経営戦略計画書を策定する。



長期トレンドの動力学を把握するには、経営現象の動向はもちろん、技術開発の動向、社会現象の動向、環境問題や政治の動向も考慮しなくてはならない

さらに、それらが自分達の身を置く産業セクターにどのようなインパクトを与えるのか、国内・海外において競合する市場の構造にどのような変化をもたらすのかについて、自らの目で分析し、見通しを立てる必要がある。



日本は強力なカスタマーなので、そのパワーを国家戦略的に活かすべき。

日本は技術にかけては世界一だが、経済と外交がリンクして問題が込み入ってくると、すぐお手上げになってしまう。



オペレーションに埋没せず会社の将来を見据え、『ミッション/ビジョン/グランド・デザイン』のピラミッドをしっかりと構築する人材を登用する企業こそが、蘇生させ、組織の中の個人のモチベーションを引き出す。





商品やサービスを提供する側の行動様式が、顧客の試行・希望・注文・不満そして潜在的な需要といったものを必ずしも反映しておらず、サプライヤーの論理を一方的にカスタマーに押し付けているケースがある。

サプライヤーサイドの視点と、カスタマーサイドの視点の、両方を持たなければならない。



新しいビジネスモデルを作るなら、『カスタマー主体のビジネスモデル』でなければならない。

まず、カスタマー再度にたった商品コンセプトを確定し、その商品を想像するために必要なコンピテンスは何かを考えるべき。

そして、そのコンピテンスを形成する要素を持った人材を社内で探し、束ねていくアプローチを取るべき。



絶対重要(顧客自身がまだ気が付いていない、あるいはその必要性をすぐには理解できない必要不可欠となりうるニーズ)を発掘する。

「リクエストがないからニーズがない」は間違い。

B2Bにおける絶対重要の探索には、「時代環境や顧客の事業形態の変化を常時把握し、分析し、予測する」ことが不可欠。

柔軟な頭でエンドユーザーの立場から発想することはどのような分野においても、絶対重要の発掘には有用なアプローチとなる。



業種を超えたウォンツが、新しいマーケット・セグメントを形成している可能性がある。





「冒険」と「安定」の間で迷う、というフェーズを何年か続けてしまうと、もうだめ。次の世界には踏み出せない。

葛藤が生じたとき、今の「両方頂き」の世界が永久に続くはずはない、と疑わなければいけない。

ただ、現代は会社の中でも「個」が求められる時代になっているので、無理に社外に飛び出さなくても構わない。