プロフェッショナルの条件

[内容]

訪れているポスト資本主義社会、すなわち知識社会において、いかに成果をあげ、成長するか。ドラッカーのこれまでの著書からこのテーマに沿って抜粋している。



[感想]

これほど刺激的で学ぶところが多い本は初めて。今まで意識していなかった問題、事実にはハッとさせられ、これぞまさしく自己啓発本だな。特にハッとした点は赤くしておいた。例えば、意思決定には時間をかけなければならない、とかは今まで読んだ本のどこにも書いてなかったけど、なるほど!と思ったな。若い高学歴者については、私がいつも考えてる研究者の問題点を端的に現しているじゃないか!仕事の仕方について、自分を変えようとしてはならない、というのは就活する上で重要なポイントだな。資本によるコングロマリットとか、エクソン・モービルの人が言ってた事を否定するんじゃないか?(新エネルギー事業はM&Aすればいい・・・)これから言えるのは、M&Aで重要なのは、価値観が一致するか、いや、共存できるかだね。リーダーシップとカリスマ性の違いは俺も勘違いしてた!注意しなきゃ。教えること、移ること、現場に出ること。これはずっと心の中に置いておこう。

とにかく、ポストイットをこんなに使ったのは初めて。すごく得るところが多かったってことだね。いい本です。



[概要]

Part1 いま世界に何が起こっているか

1-1章 ポスト資本主義への転換

主たる資源は知識に、組織は大きな役割を果たすようになる。



第一段階産業革命で、知識は行為に関わる実用に。私的な財から公的な財に。

技術は、生産が集中されることでしか適用できない。そこで、資本家が経済と社会の中心に入り込んできた。



第二段階・なぜマルクス主義は失敗したのか?⇒生産性革命

仕事への知識の適用で、生産性は爆発的に拡大し、マルクスのプロレタリアは、生産性の高い中流になった。

しかし、肉体労働人口が縮小し、生産性革命は終わった。

⇒今後の問題は、非肉体労働の生産性

⇒知識の知識への適用



第三段階・マネジメント革命

知識だけが意味有る資源となる。(他の資源は知識があれば得られる)

これがポスト資本主義社会となる。



今日の知識:行動のための情報、成果に焦点を合わせた情報

一般知識から体系化された高度に専門的な知識への移行



それでは、専門知識の社会において、真に教育ある人間の要件とはなにか?



1-2章 新しい社会の主役は誰か

組織は不安的要因である。イノベーションをもたらすべく組織される。

知識を有するものは4、5年ごとに新しい知識を仕入れなくてはならない。



組織は、行っていることの全てを体系的に廃棄できなければならない。

組織は、新しいものの創造に専念しなければならない。

    1.行うこと全てを絶えず改善

    2.既に成功しているものについて、新しい応用法を開発

    3.イノベーションの方法を学ぶ(体系的なプロセスとして組織化)

組織は、迅速な意思決定のために、高度に分権化する必要がある。

組織には、破壊的な側面がある。(コミュニティを超越する)

⇒組織を規定するものは、組織がその中において機能を果たすべきコミュニティではなく、機能そのものである。

⇒コミュニティと組織の対立が見られるようになる。

⇒組織の社会的責任が問題となる。

⇒責任を伴わない力は退化する。



専門家の力を共通目的にむけるため、組織の使命は一つで明確でなければならない。



あらゆる組織が「人が宝」というが、それを行動で示している組織は少ない。本気でそう考える組織はさらに少ない



知識の位置づけは、そのものの優位性でなく、共通の任務に対する貢献度で規定される。

現代の組織は上司と部下の組織でない、チームである。



組織の抱える最大の問題は社会の多元化に伴う問題。

いかに、経済的、政治的、社会的な結合をもたらすか。



Part2 働くことの意味が変わった

2-1章 生産性をいかにして高めるか

知識労働においては、資本は労働(人間)の代わりにはならない。

肉体労働は、より賢くことが生産性を向上させる重要な鍵。知識労働では唯一の鍵。



知識労働の生産性を向上させる。

・「何が目的か、なぜそれを行うか」を問う。

・仕事を定義しなおす。

・特に、必要のない仕事をやめる。(意味のない仕事が知識労働者の忙しさを増大させ、不毛化している)

⇒「何のために給与を払うか、この仕事にはどのような価値を付与すべきか」を考えればよい。

・「何が役に立つか」を問う(プロセスの分析)

・継続学習が必要

教えるときに最も学ぶ



知識労働の3種類

1.成果が純粋に質

2.質と量

3.質は単なる制約条件、ほぼ量

仕事がどれに入るか、知っておく必要がある。



肉体労働の生産性向上は、知識労働者がパートナーとなることが最良の方法である。

知識労働の生産性向上では、唯一の方法である。



2-2章 なぜ成果があがらないのか

知力や想像力や知識は、成果の限界を設定するだけである。

成果を上げるべく、自らをマネジメントしなくてはならない。

知識労働者は、独立して成果となるようなものを生み出さない。

⇒自らの成果を他の人間に供給する必要がある。

⇒自ら意思決定をし、自らの貢献に責任を負わなければならない。



自分ではコントロールできない問題

1.時間を全て他人にとられる

2.自ら現状を変えなければ、日常業務に追われ続ける

    貢献と成果に向けて働くことを可能にしてくれるものを知るための条件が必要

3.他の人が貢献を利用してくれるときのみ、成果を上げられる。

    互いの貢献を利用できなければならない。

    重要なのは直接の部下でなく、横の関係に有る人、もしくは上司である。

4.組織の内にいる

    成果は全て組織の外にある

    一定の業績をあげるために投入した努力が少ないほど、良い仕事



組織は小さいほど、組織内の仕事が少ないほどより完全に近づく。

成功するほど、組織内のことで占領され、外の世界における本来の任務と成果が忘れられていく。



この危機は、情報技術の発展でさらに増大する。

早く定量化できるのはだいたい組織内のデータである。

組織外の問題は、多くの場合最初は定量化できず、知覚によって初めて概念ができるからである。

コンピュータにより、現実の知覚的な自称が見えなくなり、過去の事象のみに関心をもつ危険がある。

意識的に外の世界を知覚すべく努力しなければ、やがて内部の世界の圧力で外の世界が見えなくなる。



あらゆる能力に秀でた人はいない。

⇒一つの重要な分野で強い人が、その強みを活かせるように組織を作らなければならない。

今日の若い高学歴者の最も困った点は、自らの専門分野の知識で満足し、他の分野を軽視する傾向があるところ

それらの分野が、「いかなる分野で、なぜ必要で、何をしようとするものか」を知らなければならない。



成果を上げるタイプというのは存在しない。千差万別。

共通するのは、自らの能力や存在を成果に結びつけるうえで必要とされる習慣的な力。



2-3章 貢献を重視する

権限に焦点をあわせがちだが、貢献に焦点を合わせなければならない。

⇒専門分野だけでなく、組織全体の成果、組織の外の世界に注意を向ける。

⇒仕事や仕事の仕方が変わる。



3つの領域における貢献

1.直接の成果

2.価値に対する取り込み

3.人材の育成



知識あるものは、常に理解されるように努力する責任がある。

貢献に責任を持つためには、自らの産出物すなわち知識の有用性に強い関心を持たなければならない

そうして、狭い専門分野を真の全体に関係付けることができる。



貢献に焦点を当てることで、初めて良い人間関係が築ける。

関係者全員に成果をもたらす関係なら、失礼な言葉が関係を壊すことはない。

1.コミュニケーションが可能になる。

    部下たちが貢献すべきことを要求する。

    まず部下が、「自分はどのような貢献を期待されるべきか」を考える。

    そこで初めて、上司が、部下が考える貢献について、その有効性をがん弾する権限と責任が生じる。

2.横のコミュニケーション・チームワークが可能になる。

    「自分の貢献が誰に利用されなければならないか」と自問する。

3.自己啓発と人材育成は、その成果の大部分が、貢献に焦点を合わせているかにかかっている。



知識労働者は自らに課される要求に応じて成長する。



Part3 自らをマネジメントする

3-1章 私の人生を変えた七つの体験

1.目標とビジョンを持って行動する

2.神々が見ている

    神しか見ていなくとも、完全を求めなくてはならない

3.一つのことに集中する

4.定期的に検証と反省を行う

5.新しい仕事が要求するものを考える

    昇進して凡人にならないため。前の成功経験をやり続けるのはだめ。

6.書き留めておく

    意思決定の際には、それから期待される結果を書きとめておく

7.何によって知られたいか



継続学習を続ける。

成果を上げ続け、成長と自己変革を続けるには、自らの啓発と配属に自らが責任を持つ。



3-2章 自らの強みを知る

強みを知る唯一の方法:フィードバック分析

何を期待するか書きとめ、九ヵ月後、一年後にその期待と結果を照合する。

1.明らかになった強みに集中する。

2.強みをさらに伸ばす

3.無知の元凶である知的な傲慢を正す

4.悪癖を改める

5.人への対し方が悪くて、みずみず成果が上げられなくすることを避ける

6.行っても成果の上がらないことはしない

7.努力しても並にしかなれない分野に無駄な時間は使わない。



自分の得意な仕事の仕方を知る

・「読む」か「聴く」か

・人と組むのがいいのか、一人のほうがいいのか

・緊張感や不安があったほうがいいのか、安定した環境がいいのか

・大きな組織か、小さな組織か

・意思決定者か、補佐役か

今さら自分を変えようとしてはならない



自分の価値観を知る

組織の価値観と同一でなくともよいが、共存できなくてはならない。

強みと価値観が合わないことは珍しくない。



強み、仕事の仕方、価値観を知れば、得るべきところも明らかになる。



3-3章 時間を管理する

何に時間がとられているかを明らかにする。

1.記録

最低でも年2ほど、3〜4週間記録をとるべき

半年も経てば、仕事に流され、いかに些事に時間を浪費しているか知る。



2.管理


膨大な時間が無駄になっている

成果を生まない仕事を見つけ、捨てる。

「全くしなければ何が起こるか」

「他の人間でもやれることは何か」

「あなたの仕事に貢献せず、ただ時間を浪費させるようなことを、私は何かしているか」(他人の時間の浪費)

時間の整理は畏れられるが、しすぎればすぐ分かる。



3.まとめる

細切れな時間では意味がない、人のために数分を用いることは無意味である。

話し合いがなければ、知識労働者は熱意が削がれ、自分の世界に閉じこもる。そのような話し合いは時間をかけて行わなければならない。中断のないまとまった時間。

創造と変革は、膨大な時間が必要。短時間ですむのは、既に知っていることか、既に行っていることのみ。



マネジメントの欠陥による時間の浪費

1.システムの欠陥や、先見性の欠如からくる浪費

    周期的な混乱が兆候

2.人員過剰による浪費

    組織の上の方の人が組織に関わる時間が長いことが兆候

3.組織構造の欠陥からくる浪費

    会議の過剰gは兆候。会議は原則でなく、例外にしなければならない。

4.情報に関わる機能障害からくる浪費



時間をマネジメント

組織が大きくなるほど、組織に関わる仕事の時間が増える。

自由に使える時間を管理し、まとめることが必要。



緊急かつ重要な仕事と共に、気の進まない仕事にも締め切りを設ける。

⇒締め切りに遅れると、自由にできる時間が削られつつあることを知る。



時間の分析は、自らの仕事を分析し、仕事の中で何が重要かを知る上でも、体系的かつ容易な方法。



3-2章 最も重要なことに集中せよ

集中せよ。

最も重要なことからはじめ、しかも一度にひとつのことしかしない。

時間を得るには、厳しい自己管理と、ノーと言えるだけの不動の決意。



成果の上げられない人

1.一つの仕事にかかる時間を過小評価する

2.急ごうとする

3.同時にいくつかのことをする



もはや生産的でなくなった過去のものを捨てる。

昨日の成功は、非生産的になっても生き続ける。



本来成果の上がるはずのものも捨てるのがためらわれがち。

⇒「これは価値があるのか」を問う



新しいことは必ず障害にぶつかる

⇒唯一の解決は、仕事のできる人を確保しておくこと。

⇒そのような人は常に忙しいので、今の負担を軽くしてやらねばならない。

新しいものは、新しく人を雇うのでなく、ベテランによって行われなければならない。

よその天才が、半年も経たない内に失敗することはよくある。



古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める。

想像力が問題なのではない、そのアイディアを実現すべく仕事しないことが問題。



仕事の優先順位は何が決めるか?

利用できる時間に合わせて行わざるを得ない。

優先順位を決めるのは比較的簡単。

集中できないのは、取り組むべきでない仕事の決定と、その決定の遵守が困難だから。

必要なのは分析でなく、勇気である。

1.過去ではなく未来を選ぶ

2.問題でなく機会に焦点をあてる

3.横並びでなく、自らの方向性を持つ

4.無難なものでなく、変革をもたらすものに照準をあてる





集中とは、「真に意味あることはなにか」「もっとも重要なことは何か」という観点から、時間と仕事について、自ら意思決定をする勇気のことである。

この集中こそ、時間や仕事の従者となることなく、逆にそれらの主人となるための唯一の方法である。




Part4 意思決定のための基礎知識

4-1章 意思決定の秘訣

意思決定は多くしてはならない。

個々の問題でなく、根本的なことを考える。

不変のものを見る。

よって、決定の早さを重視してはならない



何についての決定であり、何を満足させるかを考える。

賢くあろうとせず、健全であろうとしなければならない



基本をよくりかいして決定すべきものと、個々の事情に基づいて決定すべきものを峻別しなくてはならない。

正しい妥協かそうでない妥協か。



決定は実務レベルに下ろさない限り、決定とはいえない。



1.問題の多くは、基本に関わるものであり、原則や手順についての決定を通してのみ解決できる。

2.決定が満たすべき必要条件を簡潔・明確に。

    明らかに必要条件を満たさない決定は行わない。

3.決定が受け入れられ易くするための妥協の前に、必要条件を満足させる答えについて徹底。

4.決定に基づく行動を決定のプロセスに組み込む。

    最初の段階から行動への取り組みを組み込む。

    誰か特定の人の仕事・責任とならなければならない。

    「誰がこの決定を知らなければならないか」「いかなる行動が必要か」

    「誰が行動するか」「いかなる行動でなければならないか」

5.決定の適切さをフィードバックで検証。

    IT社会でこの重要さが増している。

    自ら出かけて確かめるのが唯一の方法。



問題の種類


1.基本的な問題の兆候

2.当事者にとっては例外的だが実は基本的なものか

3.真の例外

4.新たな一般的問題の表れ

よくある間違いは、1.を3.と見ること。



仮説からのスタート

意思決定は、事実からではなく、意見からスタートし、現実により検証されなければならない。

事象そのものは事実ではない。

仮説は論ずるものではなく、検証すべきもの。



「検証には何を知らなければならないか」「事実はどうでなくてはならないか」

探すべきもの、調べるべきもの、検証するべきものが何であるか徹底的に考え、明らかにする習慣。

意見を表明するものは、予想される事実、探すべき事実を要求する。



決定を行うには、それまでの評価測定の基準は正しくないものと見なさなければならない。

基準を見出す最善策は、現場に赴くこと。

いくつかの選択肢があって、初めて正しい洞察を得る。

したがって、決定によって成果をあげるためには、評価測定の基準についてもいくつかの選択肢が必要。



意見の不一致を生まなければならない。

意見の不一致が存在しないときは、決定すべきでない。

一つの結論からスタートし、それを裏付ける事実を探すことは絶対にしてはならない。

成果を上げる者は、意図的に意見の不一致を生む



意見の不一致が必要な理由


1.組織の囚人になることを防ぐ

2.選択肢を与える

3.想像力を刺激する。



最後に、「意思決定は本当に必要か」を自問する。

何も行わないという選択肢は常に存在する。

不要な意思決定は行わない

状況は気になるが、切実でなく、さしたる問題が怒りそうも無いと言うときは、問題に手をつけてはならない。

変革なのか改善なのか。

1.得るものが犠牲やリスクを大幅に上回るならば行動しなければない

2.行動するかしないか、いずれかにしなければならない。半分の行動こそ常に誤り。



「もう一度調べよう」という誘惑に負けてはならない。

ほんの一瞬でも、理由は分からなくとも心配があるなら、しばらく決定を待つべき。

しかし、伸ばしすぎてはならない。数日、せめて数週間まで。



4-2章 優れたコミュニケーションとは何か

1.コミュニケーションを成立させるのは受け手。

    このコミュニケーションは、受け手の知覚能力内か?

2.知覚することを期待しているものだけ知覚する。

    何を期待されているかを知らなければならない。

    あるいは、受け手の期待を破壊し、予期せぬことを強引に認めさせるショックが必要かどうか。

3.コミュニケーションは受け手に何かを要求する。

4.コミュニケーションと情報は別物。

    コミュニケーションに必要なのは知覚であって、情報でない。



耳を傾けることはスタートにすぎない。



目標と自己規律によるマネジメントこそ、コミュニケーションの前提。

上司と部下の知覚の違いを明らかにできる。

部下は上司の抱える問題を理解できる。



組織において、コミュニケーションは手段ではない。組織のあり方の問題である



4-3章 情報と組織

情報型社会で必要とされ、残る階層の仕事は、はるかに多く、厳しく、重くなっていく。

管理とは、単に情報の報告を入手する地位に過ぎなかったことが明らかに。

必要なのは、「誰が、そのような情報を、いつ、どこで必要としているか」と問う意思。



情報型社会は多様性を許容する。

流れは下から上に行ったあと、再び上から下へ循環する。



情報型社会は、組織内の個人と部門が、自らの目標、優先順位、他との関係、医師の疎通に責任を持つときのみ有効に機能する。

情報型組織は、高度の自己規律を要求するゆえ、迅速な意思決定と対応を可能にする。

さらに柔軟性と多様性を内包する。

組織内に相互理解と共通の価値観、相互理解があって初めて実現する。

資本だけによって統合されたコングロマリットとは無縁



情報型社会は自由寛大な組織ではない、規律の厳しい組織である。

強力かつ決定的リーダーシップを必要とする。



4-4章 仕事としてのリーダーシップ

リーダーシップにカリスマ性は必要ない。手段である

カリスマ性はリーダーを破滅させる。



リーダーたる要件


1.リーダーシップを仕事と見ること。

    組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立すること。

2.リーダーシップを地位・特権でなく、責任と見ること

    部下の失敗に最終的な責任を持つが故、部下の成功を脅威とせず、むしろ自分の成功と捉える。

3.信頼が得られること

   
リーダーシップは賢さによって支えられない、一貫性により支えられる



4-5章 人の強みを生かす

組織は人の弱みを意味のないものにし、強みを生かす機能を持つ。

弱みに焦点を当てては、平凡な人事に終わる。

部下の強みを認識し、次にそれを本当に行うことを要求する。



なぜこのようなことが実際には行われにくいのか?

仕事からスタートし、次にその仕事をできるものを探すから。



上司の強みを生かす

上司が昇進しなければ、部下は立ち往生。

なすべきことから考え、それを上司に分かる形で提案しなければならない。

上司が得意でないことをあまり心配してはならない

読む人に、口で説明しても無駄。

聴く人に、分厚い報告書は無駄。

誰でも、人については専門家になれるので、上司の強みを活かすのは簡単。



4-6章 イノベーションの原理と方法

イノベーションの成功のためになすべきこと

1.機会を分析する


1.予期せぬこと

2.ギャップ

3.ニーズ

4.構造の変化

5.人口の変化

6.認識の変化

7.新知識の獲得

これら全てを体系的に分析する。



2.イノベーションは理論的分析であると共に、知覚的な認識

外に出、見、聞かなければならない。



3.焦点を絞り単純に

複雑だと、直すことも調節することもできない。



4.小さくスタート

変更がきくのは、規模が小さく、人材や資金が小さいときだけである。



5.トップの座を狙わなければならない



なすべきでないこと

1.懲りすぎてはならない

2.多角化してはならない

    行うものが互いに理解するため、統一されなければならない。

3.未来のためのイノベーションを行おうとしてはならない



成功するイノベーションの条件

1.意識的かつ集中的な仕事、勤勉さと持続性と献身

2.強みを基盤とする

    イノベーションは知識と能力が極めて重要

    イノベーションの機会そのものが、イノベーションを行おうとするものの価値観とあっていなくてはならない

3.経済や社会の変革を目指す



イノベーターはリスクを冒さない。

冒してはならないリスクを明確にし、それを最小限にする。



Part5 自己実現への挑戦

5-1章 人生をマネジメントする

第二の人生を設計する方法

1.文字通り第2の人生を持つ、組織を変わる

2.パラレル・キャリア

3.ソーシャル・アントレプレナー(社会変革を起こす人)



第二の人生の条件:本格的に踏み込むかなり前から助走すること

逆境のとき、単なる趣味を超えた第二の人生、第二の仕事が重要性を増す。

組織より人の方が寿命が延び、第二の人生の用意が必要になった。




社会が真に機能するためには、コミュニティの絆が不可欠である。日本がそのモデルとなるだろう。




5-2章 "教育ある人間"が社会をつくる



諸々の独立した伝統を、共有の価値への献身、卓越性の追及、相互の尊重へ纏め上げるもの:教育あるもの

ポスト資本主義社会は、これまでのいかなる社会にもまして、教育ある人間を必要とする。

偉大な遺産を理解することを不可欠とする。



教育ある人間は、知識人の文化と組織人の文化の中で生きる。

バランスを欠くと、知識人は好きなことだけをし意味の無いものを生み出し、組織人は形式主義に陥る。

両者の均衡に教育ある人間が必要。

ますます多くの人間が両方の文化で働く経験を持つ。



真に必要なのは、多様な専門知識を理解する能力である。



5-3章 何によって憶えられたいか

自らを成果を上げる存在にできるのは自らだけ。

成功の鍵は責任。

自らがところを得ていないとき、あるいは組織が腐っているとき、

あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい。



日常化した毎日が心地良くなったときにこそ、違ったことを行うよう自らを駆り立てる必要がある。




自らの仕事をし、自らのキャリアを決めるのは自分。

自らの得るべきところを知るのは自分。

組織への貢献において、自らに高い要求をするのも自分。

飽きることを自らに許さないよう、予防策を講ずるのも自分。

仕事を心躍るものにするのも自分。





成果を上げるための第一歩は、行うべきことを決めること。



自らの強みは自らの成果で分かる。



自らの成長につながる最も効果的な方法は、自らの予期せぬ成功を見つけ、その成功を追及すること。



成長のプロセスを維持する手法:教えること、移ること、現場に出ること