知識ゼロからの経済学入門

知識ゼロからの経済学入門

知識ゼロからの経済学入門


[内容]

課長島耕作の作者が日本、世界の経済、ミクロ経済、マクロ経済学の基本を図を多用しながらやさしく解説。



[感想]

かなり基本的なことばかりだけど、大まかな経済の流れが分かった。ここがこうなったから、こういう対策が採られて、でもだめでこうなって・・・みないな流れを抑えることが大事だね。



[概要]

日本の概要

オイルショック⇒産業構造変化⇒貿易増⇒貿易摩擦プラザ合意円高ドル安⇒輸出の円高不況⇒公定歩合引き下げの金融政策⇒景気回復⇒金融緩和政策続行で金余り⇒バブル⇒バブル崩壊⇒多額の不良債権⇒失われた10年

不良債権処理=間接償却+直接償却

    間接償却:回収できない見込み金額を貸し倒し引当金として明らかにする

    直接償却:不良債権を売却、あるいは完全に放棄して帳簿から消す

    50兆円(2002年時)あった不良債権も年間10兆円程度ずつ着実に減少

 現在は国債GDPが150%⇒100%へ努力

    日本国内の貯蓄額(約1500兆円)が借金(1000兆円)を上回っており、金利は安定

 

アメリカの概要

1980年代に抱えた双子の赤字財政赤字貿易赤字)がITバブルで回復⇒バブル崩壊⇒赤字再発⇒大型減税+大幅な金利引き下げ⇒経済回復(雇用問題は続行)⇒しかし、中東からの反発は強し⇒軍事費が財政圧迫

 

アジアの概要

タイのバーツはドルペック制(ドルと連動)⇒経済成長鈍化などから実態以上の価値に⇒ヘッジファンドが叩き売り⇒ドルペック維持のため外貨準備金投入⇒外貨準備金が底尽き⇒変動為替相場制導入(ヘッジファンド儲け)⇒通貨危機


 


中東の概要

70年代から産油国の発言力強まり、石油利権を完全国有化⇒オイルダラー流入⇒観光・金融・石油化学や鉄鋼へ流入

 

欧州の概要

ユーロ誕生⇒為替リスクなくなる、価格競争激化で業界再編、ほかの通貨へ影響

    ユーロ参入には厳しい基準がある

ドイツはEUで最大のGDP(米日に続き3位)、輸出、輸入の70%は欧州内


 


ロシアの概要

社会主義国家⇒計画生産⇒生産性落ち込む⇒ゴルバチョフペレストロイカ政策⇒ソ連崩壊⇒市場経済⇒経済競争力は低いが、資源力で復活へ

    総輸出額の70%が資源

問題点:市場経済への対応、人口減少、天然資源依存


南米の概要

幾度となく通貨危機アメリカ依存を解消するため、1995年メルコスール(南米南部共同市場)発足



経済学の基礎

新古典派(アダムスミス):市場に任せる自由放任主義

ケインズ学派:政府の市場介入で円滑になる

 

生産資源=土地+労働力+資本

 

世界の自由貿易協定

1.EU

2.OPEC

3.AFTA(アセアン自由貿易協定):東南アジア

6.メルコスール

 

ミクロ学の基礎

需要曲線:需要全体が増えれば曲線は右へ

価格弾力性=需要の変化率÷価格の変化率

    非弾力:ガソリンなどの代替できず輸入量制限があるもの⇒価格が上がるほど総売り上げ向上

    弾力:代替できるもの、高価な物


供給曲線:供給者の気持ち

    新しい規制、生産コスト向上は供給曲線を左へ移動

供給の価格弾力性=供給変化率÷価格の変化率

    同じ商品でも設備の稼動状態で弾力性は変化する(設備があまってれば非弾力)

 

生産関数=生産量と生産コストの関係

    コスト追加1単位で得られる便益を限界効用という。

    1.収穫逓増段階(働く人が増えるほど生産増)

    2.収穫逓減段階(設備の効率悪化から生産増加率低下)

    3.損失発生段階(人が多すぎで総生産が減少)

 

限界費用:生産1単位増やすのにかかる費用

限界収入:市場価格

利益を最大化するには、限界費用=限界収入

 

市場の分類

完全競争市場:プライステイカーの市場

独占的競争市場:パソコンメーカーなど

寡占市場:自動車など、価格競争になりやすい

独占市場 :電気ガスなど

 

囚人のジレンマ:自由競争でそれぞれが自分の利益を求めると、全体の利益は最大化につながらない

逆選択:情報の非対称性から買い手が選ばされる


    広告はこれを解消する一手

 

マクロ学の基礎

GNP=国民総生産

グローバル化から、国の生産規模をあらわすのはGNP⇒GDP

 

GDP=総生産=総支出=総所得

    売れ残りは在庫投資として形状

Y=C+I+G+EX-IM

    Y:国内総生産

    C:消費(約6割、限界消費性向(貯蓄率、消費率)が影響)

    I:投資(次に大きい、件数少だが規模大、金利に影響される)

    G:政府支出(国債頼りのため、回りまわって投資が現象:クラウディング・アウト現象)

    EX:輸出

    IM:輸入

名目GDP:単純に生産量×市場価格

実質GDP:物価の変化を考慮

    物価の動きは様々な物価指数で知る 

 

経済成長率=今年度のGDP÷昨年度のGDP

潜在成長率=使われていない資本・労働力を考慮

 

景気循環サイクル

在庫投資のサイクル(約3年):キチンサイクル

設備投資のサイクル(約10年):ジュグラーサイクル

建設循環のサイクル(約20年):クズネッツサイクル

技術革新のサイクル(約60年):コンドラチェフサイクル

 

インフレの原因

需要が供給を上回る(ディマンド・プル型)

原材料や賃金が上がる(コスト・プッシュ型)

⇒不安連鎖でインフレ拡大

⇒金余りで土地・株式高騰⇒バブル



賃金の下方硬直性:賃金カットが難しいこと

完全失業者:働きたくて、働ける状態なのに働けない人

 

スタグフレーション=不況+物価増

    政府の市場介入でも物価増、雇用少が解消できないことから発生

 

金融と財政

直接金融:株、債権、国債など

間接金融:銀行に貯蓄、銀行が企業に融資

 

中央銀行の役割

1.通貨の価値を下げないこと

2.一般銀行への融資

    日本のすべての金融機関は日銀へ一定割合預金しなくてはならない(預金準備率)

3.政府の銀行



金融政策

1.公定歩合操作

    日銀が金融機関に国債・手形売買することで市場のマネー・サプライを調整

3.預金準備率操作

 

日本は護送船団方式で金融を守ってきた⇒バブル崩壊⇒国際競争力を失った金融機関破綻⇒政府が金融の規制緩和(金融ビッグバン)

金融ビッグバンの狙い

1.間接金融から直接金融へ

2.市場原理に基づき金融市場の活性化、東京市場の成長(国際金融市場)

 

TOPIX:1968年1月4日の時価総額を100として現在の時価総額を計算

 

M&Aにおける株式保有

5%〜:大量保有報告書の義務

3分の1〜:特別決議の拒否権

過半数〜:事実上子会社

100%:完全子会社 

TOB:株式公開買い付け(市場価格より高く買う)

 

信用取引:資金や株式を証券会社から借りて取引(信用買い⇔空売り

証券化:新たな資金調達法、不動産などを証券化する際は特別目的会社を設立、価値を独立させる

 

財政

1.公共財の供給

3.経済の安定

これらを合わせた(ポリシーミックス)財政政策と金融政策の合わせ業が現在の主流。しかしバブル崩壊後産業形態変化でこの効果も薄くなってきている

 

乗数効果:財政政策、金融政策の支出が波及して得られる効果

    乗数=1/(1−限界消費性向)

    減税による乗数効果は小さいと言われている

 

年金

自営業:国民年金

サラリーマン:国民年金+厚生年金

公務員など:国民年金共済年金+職域年金



国際経済

為替とは本来金融機関を仲介して決済する仕組みのこと

 

固定為替相場制から変動為替相場制へ

ドルはかつて金本位制(金1オンス=35ドル)の固定相場制

⇒1971年、金本位やめると宣言(ニクソンショック

⇒ドル信用失墜

⇒1973年、日本もドルの固定相場制から変更相場制へ


 

裁定取引:安く仕入れて高く売る、利ざやを抜く

 

比較優位:それぞれが得意なものをつくり、輸出入する。特化が大事

    今の日本は比較優位のため、産業構造転換の過渡期⇒産業の空洞化、しかし一時的!