論理で人をだます法

論理で人をだます法

論理で人をだます法



[内容]

あらゆる論理がどのように悪用、誤用され、人をだますか



[感想]

この本は、論理の誤りを分類しただけにすぎない。この本を読むだけでは人をだますのに論理を使ったり、だまそうとする人に対抗することはできないだろう。しかも、論理を扱った本であるのに、本の構成は論理的でない。つまり、扱っている内容に重複がありすぎる。

この本を読むなら、目次を読むだけで十分だろう。



[概要]

I. 感情的表現1 人を丸めこむ

・同情に訴える

・特別扱いを求める

・罪悪感に訴える

・恐怖に訴える

・希望に訴える

・お世辞を使う

・ステイタスに訴える

・バンドワゴンアピール(みなさんやってますよ!)

・愛情に訴える/信頼に訴える

・プライドや忠誠心に訴える

・誠実さに訴える

    「ほんとうに」「まぎれもなく、真摯に」「真に」「絶対に」・・・

ポピュリズム(俗情との結託)



II. 情的表現2 人を扇動する

・バンドワゴンアピール

・繰り返し

・真面目さ、誠実さ

・単純化

・レッテル貼り(ネームコーリング)

    「人種差別主義者」「無政府主義者」「過激派」「反動的」

ステレオタイプ

・かっこいい大風呂敷

・スローガン

・転移

・有名人の証言

・”みんな仲間”

・俗物根性へのアピール

・文脈を無視した統計

・”たくさんの方が”(大数)

・問題のでっち上げ(悪者、スケープゴート

・事実のでっち上げ(カードスタッキング)

・命令



III. 感情的表現3 ほのめかしをうまく使う

・ヒントを出す

・強調

・証拠の選択

・口調を変える

・言い回しを変える

・単語の選び方

・たとえ(比喩)

・並列

・無関係なディテール

・イメージ単語

・大げさな言葉、ジャーゴン、ダブルスピーク、ゴブルディーグック

・悪いイメージのタン度

・誘導尋問(コントローリング・クエスチョン)



IV. 無関係な話を持ち出す


人格談義

・人格攻撃

・地位や立場を非難する

・交友関係を非難する

・ポイズン・ウェル(井戸に毒を盛る)



責任転嫁

・”オマエモナー”

・質問返し(カウンター・クエスチョン)



無関係な理由

・”ノーんセクイトゥル”(前提と結論が無関係)

・無関係なディテール

・脅しをかける

・無知に訴える論証



権威への訴え

・イプセ・ディキシット(”○○さんもおすすめ!”)

・過去または過去の権威に訴える

・漠然と権威にすがる

・決め付け

・信頼に訴える

・「聖域」

・警句、故事成句、スローガン、ことわざ、決まり文句

ジャーゴン(専門用語)

・伝統や前例に訴える

・語源学の悪用



数字の悪用

・不適切な平均

    算術平均?モード?

・パーセントの悪用

・サンプリングでだます

・あいまいな統計



自信たっぷりの憶測

・個人的な保証

・個人的な経験

ドミノ理論

・神頼み

・憶測と事実の金堂



V. 話をそらす

レッドへリング(意図的、偶然に討論に組み込まれた無意味なディテール)

・ユーモア、皮肉、嘲笑、あてこすり、パロディ、仕草

・気の利いたセリフ

・たとえ話を文字通りに受け取る

・ハッタリ

・重箱の隅をつつく・揚げ足を取る

・わからないふりをする



ストローマン

・相手の発言を拡大解釈する

・相手が言ってないことを言ったことにする

・単なる例にかみつく

・代案にかみつく

・問題のすり替え



VI. あいまいさと不正確な推測

・言葉のあいまいさを利用する

・厳密でない物言い

・口調のあいまいさ

・皮肉っぽい態度

・強調

・文脈と離れたイン用

・切り貼り引用

・気のない称賛

・あいまいな語法

・文法的なあいまいさ

・並列

・省略三段論法



VII. 混乱と不正確な推測

・語句の混同

・多義語

・大言壮語

ダブルスタンダードダブルシンク

視野狭窄

・循環論法/論点先取



VIII. 原因と結果の混同

・必要条件、十分条件、寄与条件を混同する

・間接原因と直接原因の混同

・自己正当化

・原因と結果の取り違え

・続けて起きただけの現象に因果関係を見る虚偽

・同時に起きただけの現象に因果関係を見る虚偽

・原因でないものを原因として扱う/偶然

・間違った結論



IX. 単純化しすぎる

・個別性の虚偽

・複合質問

排中律/「2つにひとつ」の虚偽/「白か黒か」の虚偽

・お手軽な分類

・結論に飛びつく

・ひげの虚偽

・「すべて」の虚偽

・”間を取って”/妥協の虚偽

・循環定義/はぐらかし定義

・堕落の虚偽

・復帰の虚偽

・時間の虚偽

・より大きな悪の虚偽/ポリアンナ的解決

・決意の虚偽

・理想主義の虚偽

・黙契の虚偽

・にせのジレンマ



X. まちがった比較や対比

・アナロジーの悪用

・統計の御用

・無意味な対比

・無効な対比

・一貫性の虚偽



XI. はぐらかし

・半分だけの事実

・質問にあいまいに答える

・回答をごまかす

・引き伸ばし

・”一歩一歩進もう”

・「もし」が多すぎる

ドミノ理論

・相手の発言を言いかえる

・伝統と前例を持ち出す

・質問のすり替え



XII. 誤解を招きやすい表現

・意味論的あいまいさ/発言のあいまいさ

・構文的あいまいさ

・あいまいな接続し

・あいまいな並置

・あいまいな「両方」

・あいまいな「すべて」

・あいまいな「か」

・選択肢のひとつが真であることを理由に、もうひとつの選択肢を偽と考える虚偽

・あいまいな「もし〜なら」

・後件皇帝の虚偽

・前件否定の虚偽

・条件連鎖(仮定の積み重ね)