日本人の英語
- 作者: マーク・ピーターセン
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/04/20
- メディア: 新書
- 購入: 135人 クリック: 2,138回
- この商品を含むブログ (315件) を見る
日本で英語の教えるアメリカ人が出会ってきた、日本人の英語のおかしい点を、英語のロジック、考え方から指摘していく。
[感想]
冠詞については非常に勉強になった。文の構成なども、英語のロジックから考えると、英語らしい、英語らしくない、などがあるというのは、参考になった。後半の論文の書き方などについては、授業でならったものと似ていた。「なので」や「したがって」に関する使い分けは今まで意識していなかったので今後気をつけたいと思う。”hence”とか自然に使えたらかっこいいな。このような、日本人の英語の問題点を指摘した本が20年以上前からあるのに、未だに日本語教育が変わらないのは仕方ないのか。
[概要]
★冠詞
冠詞は論理プロセスの根幹であり、飾りではない。意識の問題。
a→a という論理カテゴリー(グループ内のひとつ)
the→theという論理カテゴリー(「例の」「あの」) 十分限定されていれば使える
(なし)→抽象的なもの、概念
単数
複数
my mother's friend 母に友達はひとりしかいない
the friend of my mother 同上
↑
↓
a friend of my mother たくさんいるなかの一人
the freezer と her oven
the freezer that is the expected part of any home
her oven オーブンはどこの家にもあるとは限らない、一台しかないとわかる
○the writing of scientific English 後半部分で限定されている
×writing of scientific English 限定されている
○writing scientific English 限定なし
×the writing scientific English 限定なし
★前置詞
observed by binoculars 双眼鏡が観察する
observed with binoculars 双眼鏡で観察する
written by a word processor ワープロが書く
written on a word processor ワープロで書く
・through
作用力 through the efforts
媒介 through the United Nations
理由 through a misunderstanding
動機 through a desire
on と in
単なる時間の長さの問題だけではない→意識の問題
In the evening, she usually walk her dogs.
eveningをどうやってすごしたか
The last time she walked her dog was on the evening of July 15.
具体的にいつだったか、「時」や「時点」
out と off
out 中から外へ
off 表面から離れて
Clean out your desk!
机の中を片付けて
Clean off your desk! 机の上を片付けて
I cleaned my house 普通の掃除
I cleaned out my house 中のものを捨てる
I cleaned off my house 壁などを掃除する
put me out 腹をたてる より強い表現
put me off 気を悪くする 弱い表現
off of work 休んでいる 弱い表現
out of work 失業中 強い表現
over と around
回転軸が違う
over 水平軸回転
around 垂直軸回転
get over the obstacle 飛び越える
get around the obstacle かわす
★名詞 of 名詞
A of B BがAを持つ
the pandas of Ueno Zoo 中間
Ueno Zoo's pandas 所有感が強い
Ueno Zoo pandas 特徴のことを言っている
★時制
いつも→always? or usually?
always 誇張法
usually 「ふだん・・・」
進行形・・・状態
現在形・・・動作
×What are you usually doing on Sunday?
○What do you usually do on Sunday?
過去の進行形
より鮮明な描写がほしければ進行形
had studied
⇒had been studying
has studied
⇒has been studying
She will for two years.
study
未来のある時点から「合計で」2年間
have studied
ある時点まで「合計で」2年間
have been studying ある時点まで「連続で」2年間、2.より活き活きとした表現「毎日毎日」
連続で2年間 two years althogether
断続で2年間 two years straight
★関係代名詞
of which.... 書き言葉的
which... of 口語的、リラックスした印象
★能動態と受動態
主体を明白にし、能動態にしたほうがはるかに現代学術論文的になる
受動態は主語と述語が離れすぎる傾向にある
★副詞
特に
×Especially, ... カンマで区切られ、自立した句として働く慣用はない
⇒In particular, ...
... particulary.
... especially.
..., in particular, ...
したがって
accordingly 「〜に応じて何かをする」
consequently 「〜の当然の結果として何かの状態となる」
as a result(カンマで区切ることが多い) = consequently (副詞なので、動詞の前が自然)
Therefore, ... 大げさすぎる⇒動詞の前に副詞として自然な形に
なので
so 口語的
since ..., because ... 書き言葉
as ... 古風、英国めいている
for ... 文学的
thereby 論文によい = by this specific action(この行為によって)
thus 論文によい = in this general way(このようにして)
hence 論文にふさわしい = as a logival inference from this fact (このことから、常識に照らして)
thereby(ある行動によって) と hence(ある状態によって)