「今のロシア」がわかる本

「今のロシア」がわかる本 (知的生きかた文庫 あ 30-1)

「今のロシア」がわかる本 (知的生きかた文庫 あ 30-1)

[内容]

ロシアの経済と世界戦略



[感想]

ロシアの経済について勉強したかったが、この本のほとんどは地政戦略について書かれており、経済はほとんどわからない。他の本で勉強した方がよさそうだ。

地政戦略についても、難しすぎてついていけなくなったので、途中で読むのをやめた。ロシアについて普段から興味をもって情報を得てきた人が、その情報の裏側に隠されたプーチンの意図を読み取るための本。初心者がロシアについて勉強するための本ではないみたい。



[概要]

ロシアは常に周辺国家と接触を持たなくてはならないグローバル国家である。

帝政ロシア以来ユーラシアの大国として積み重ねてきた外交・安全保障分野における有形・無形の遺産がある。



ロシアは他のBRICsと異なり、唯一人口減少している。

他のBRICsが成長し、エネルギー需要が増えれば成長するという特殊なBRICsである。



ロシア経済のボトルネックは電力不足+電力インフラの老朽化

電力不足←エネルギー源40%の天然ガスの生産頭打ち

    ←天然ガス価格の内外差(国内は安い)ため、投資が足りない。

原子力の強化と、天然ガス価格の向上

石油会社ユコスの解体



エネルギーが好調なために、工業の発展が阻害されている。

ロシア国内では付加価値をつけることができていない。



ロシアの世界戦略:世界秩序の多極化

    1.「対テロ」を軸にアメリカとの戦略的関係

    2.エネルギーを軸にドイツとの戦略的関係



どちらも、米ネオコン(チェイニー)のユーラシア地政戦略と折り合わないため、戦いが繰り広げられてきた。

ネオコンの狙い:ユーラシアにライバルを出現させないこと(つまりロシアを弱体化すること)



米のイラク攻撃を避けるため(米露対テロ共闘戦略を守るため)、プーチンとプリマコフは最後まで努力した:『フセイン退位工作』