環境問題はなぜウソがまかり通るのか

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

[内容]

一般的に信じられている環境問題に対する知識に関する嘘を暴く。



[感想]

とにかく著者はアツい。ダイオキシンの話題など、センセーショナルな話題が多いが、『リサイクルがゴミの量を増やしている』などデータの解釈の仕方が無理やりな感じを受けた。前半はまだ良かったが、後半になると、感情的になりすぎて、データを示さず著者の印象だけで、『昔は良かった』的な論調になってしまっている。これはダメだ。とにかく、環境問題は人をアツくしやすいようなので、冷静にならないとね。

本書中のデータ、論説には怪しいものも多いが、中にはこれは!と思うものもいくつかあったので、読んでよかったかな。



[概要]

資源7倍、ゴミ7倍になるリサイクル

平成5年までは分別しなくて良かった。



以下は全てペットボトルの話。

ペットボトルの処理に困っていたところに、朝日新聞がリサイクルを取り上げてしまった。

リサイクルできると、気軽に使えるので(←この論理怪しい)販売量は4倍に。



昔は12本使って12本捨てていた



今は51本つかって27本回収、そのうち24は焼却・処分で3本再利用

1本再利用するのには、3.5倍の石油を使う

よってリサイクルは利権者が得するだけの、環境に悪影響のものである。

(ペットボトルは使用量中の3%、容器全体では1%の再利用率)



なぜ日本ではリサイクルはうまくいかないのか?→日本人が綺麗好きすぎる

海外では、何回もペットボトルを使うが、どんどん傷ついていく。

これを日本人は我慢できない。

→再処理は?輸送、処理などに費用がかかり過ぎる。



そもそも、日本はリサイクル率が高いが、これは日本だけが、焼却してもリサイクルになるからだ。

自治体はリサイクルすると言って回収業者に渡せば、自治体はOK。業者も儲かる。国民は税金払う。



容器包装リサイクルは7000億円の損失(←年間?それとも今まで?)

    容器包装リサイクル協会や特定再商品化業者などへ。



家庭から出るゴミは水分があり燃えにくい。

→ペットボトルやトレーが混ざってると燃えやすい。

分別するとさらに燃料が必要。



実際には、ゴミ中90%を占める産廃中、汚泥が50%、20%が動物の糞尿、15%が瓦礫。

分別したところで再利用などできない。



ビニール袋は工業のあまりものの油で作るから、タダで配られる。



ペットボトルに使われるのは、日本が輸入する石油のうち1000分の1。

→リサイクルしなくても、自動車使用を0.1%減らせば良い。



ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立て上げられたか

1970年代日本の水田には、ベトナム戦争時の枯葉剤中のダイオキシンの60倍の量のダイオキシンがまかれていた。

(これは濃度で議論すべきでは?)

大昔からダイオキシンは自然界に存在した。

    昔の囲炉裏とか。昔からダイオキシンで病気になった人などいない。

ダイオキシンが毒かどうかは生物によって違う。(例えばハムスターではモルモットの8000分の1の毒性)



しかし、科学者はペンに負けた。

    ・ダイオキシン対策で、ごみ焼却を改良するのに毎年600億〜1800億かかった。

    ・ダイオキシンで奇形児が生まれるのを畏れて、堕胎された子供達。



環境ホルモン、塩ビも同じ→精子減少などは科学的に反証された。



狂牛病も日本には狂牛病になった人は一人もいないのに、自殺者が出たり輸入停止になったり。





地球温暖化で頻発する故意の誤報

きっかけは1984年、朝日新聞の仮想記事。

    誤報1. 南極ではむしろ温度が低下していた。

    誤報2. 北極の氷は解けても海面上昇しない(アルキメデスの原理より明らか)。



南極の温度が上がると、0度以下なので氷は解けないが海水移動量が増えるので却って海面は下がる(ほんとかよ笑)。IPCCの報告書にも「南極周りの温度が上昇すると、わずかだが海面低下する。」



IPCCによると、温度上昇すると海面は上がる。

    極地の氷河が融けるからでなく、海水が膨張するから。

環境省IPCC報告書には、極地の氷が融けて海面上昇、と書いてある。

新聞も海面上昇ばかり報道する。



植林はCO2を減らさない。

    樹木の成分の分だけ炭素が固定されるのみ。

    成長が終われば固定量は増えない。

    枯れたら最終的にはCO2に戻る。



京都議定書(CO2排出量を1990年比6%減)では地球温暖化は止まらない。

    1.温暖化ガスの温暖化寄与率を60%とする

    2.CO2をそのうち60%とする

    3.先進国のCO2は全世界の60%

    4.締結国中、60%が批准すると仮定

    5.削減目標は5%

よって、0.6×
0.6×0.6×0.6×0.06=0.7%

京都議定書がなければ1度上がるところが、0.993度上昇に。ほとんど意味なし!

日本は排出権をロシアから2兆円で買う!?





ちり紙交換屋はなぜいなくなったのか

紙のリサイクルが注目されて、民でなされていたちり紙交換が官主導に。ここでも新たな税金投入。




熱安定な塩ビは報道により規制された→火災死亡者増加(本中のデータはこれと関係ないだろ!)

農薬DDTは発がん性(実際はない)が報道され規制→マラリア対策ができなくなった。(データ無し)





環境問題を弄ぶ人たち

日本人は環境トラウマ

    実際は日本の空気は綺麗にもどった(SOx濃度など)

    8年でゴミ貯蔵庫が一杯になる、という報道。実際は貯蔵庫を新たに作らない、という仮定の計算。



本当の問題は石油枯渇

    農業や工業は石油に依存しきっている。

    石油が無くなれば、環境問題もなくなる(天然ガス、石炭は!?)



最後は『昔の日本は平和でよかった』的持論。