「今のロシア」がわかる本
「今のロシア」がわかる本 (知的生きかた文庫 あ 30-1)
- 作者: 畔蒜泰助
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 文庫
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ロシアの経済と世界戦略
[感想]
ロシアの経済について勉強したかったが、この本のほとんどは地政戦略について書かれており、経済はほとんどわからない。他の本で勉強した方がよさそうだ。
地政戦略についても、難しすぎてついていけなくなったので、途中で読むのをやめた。ロシアについて普段から興味をもって情報を得てきた人が、その情報の裏側に隠されたプーチンの意図を読み取るための本。初心者がロシアについて勉強するための本ではないみたい。
[概要]
ロシアは常に周辺国家と接触を持たなくてはならないグローバル国家である。
帝政ロシア以来ユーラシアの大国として積み重ねてきた外交・安全保障分野における有形・無形の遺産がある。
ロシアは他のBRICsと異なり、唯一人口減少している。
他のBRICsが成長し、エネルギー需要が増えれば成長するという特殊なBRICsである。
ロシア経済のボトルネックは電力不足+電力インフラの老朽化
電力不足←エネルギー源40%の天然ガスの生産頭打ち
←天然ガス価格の内外差(国内は安い)ため、投資が足りない。
原子力の強化と、天然ガス価格の向上
石油会社ユコスの解体
エネルギーが好調なために、工業の発展が阻害されている。
ロシア国内では付加価値をつけることができていない。
ロシアの世界戦略:世界秩序の多極化
1.「対テロ」を軸にアメリカとの戦略的関係
2.エネルギーを軸にドイツとの戦略的関係
どちらも、米ネオコン(チェイニー)のユーラシア地政戦略と折り合わないため、戦いが繰り広げられてきた。
米ネオコンの狙い:ユーラシアにライバルを出現させないこと(つまりロシアを弱体化すること)
米のイラク攻撃を避けるため(米露対テロ共闘戦略を守るため)、プーチンとプリマコフは最後まで努力した:『フセイン退位工作』